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2023.02.22
【CastingONE導入インタビュー】月間入職者数3倍!|マーキュリースタッフィング|次世代の派遣管理システム
【CastingONEを導入し、月間の入職者数が3倍に!】
本記事は『月刊人材ビジネス』2023年2月号に掲載された株式会社マーキュリースタッフィングとの対談記事です。
「スタッフ不足・DX推進」といったアフターコロナを見据えた諸課題に直面している人材派遣業界。
業績が伸びず苦戦する会社が少なくない中でも、着実に実績を上げている人材派遣会社がある。
そこには人材派遣会社と伴走し採用環境の変化に合わせたサポートをするパートナー会社の存在だ。
今回はマイナビグループ・マーキュリースタッフィング社(東京都港区)とクラウド型派遣支援サービス『CastingONE(キャスティングワン)』を提供するCastingONE(キャスティングワン)社(東京都渋谷区)の取り組みに注目し、提供元のCastingONE社・執行役員・営業本部長・片桐正嗣氏と導入先のマーキュリースタッフィング社・代表取締役社長・齊藤正貴氏が対談。
スタッフ採用における現状と課題、月間入職者数が3倍になった理由、これからのスタッフ採用について語ってもらった。
注目されるクラウド型派遣支援サービス
はじめに同サービスの内容について解説する。CastingONE(キャスティングワン)社の提供する『CastingONE』(以下、CastingONE)は、人材派遣会社向けのクラウド型派遣支援サービスである。派遣スタッフの新規採用、登録済みの未入職スタッフの掘り起こし、スタッフ定着の3方向からアプローチし、派遣スタッフの入職数最大化を実現する。
人材派遣会社出身の代表を中心として、人材業界出身者がITで派遣業界を変えることを理念に掲げ2019年11月に設立、1年の開発期間を経て、CastingONEが誕生した。コロナ禍でもクラウドなのでテレワークで利用しやすく、リリース2年を経てすでに導入150社を超えており、今、注目のクラウド型派遣支援サービスだ。
2022年の市況感や派遣スタッフの採用のトレンドについて
[齊藤]
同業各社はコロナ禍で苦戦していましたが第2波以降はどこも案件の受注は順調だったはずです。
しかし当社はまだ新規営業をしないと案件が確保できないような状況でした。なので、案件の受注とスタッフ採用の両輪でドライブをかけていきました。
2022年と2023年では人材派遣業界のトレンドは変わらないですが、2022年は派遣会社の優劣が付いた1年だったのかなと思います。
賃上げムードの中で人材派遣はアゲインスト。派遣先には容易に料金アップの交渉はできません。
派遣料金で100円上げても派遣時給としては30~40円しか上げることはできません。時給勝負は分が悪い。
長く稼働してもらいたいですがスタッフさんのキャリアに寄り添って直接雇用を視野に入れてスタッフ対応や派遣先対応をしていくべきだと思います。
これからの人材派遣会社は優秀な派遣スタッフを多く育成して本人の希望があればどんどん正社員に斡旋する。これに尽きると思います。
[片桐]
当社は設立以来、人材派遣会社600社以上に営業提案してきました。
改めて2022年を振り返ると派遣業界にとって分岐点だったと思います。
コロナ禍で中堅以下の派遣会社は、アフターコロナを見据えた事業展開に舵を切ることに躊躇していました。
後にこの状況がしばらく続くことがわかってきて、一歩を踏み出した会社と、現状維持で踏みとどまっている会社がいまもあると思います。
特にDXの仕組みを使って効率を上げていこうと考える派遣会社が増えてきました。スタッフ目線に立ちアフターコロナを見据えた方向転換(特にDX推進)ができるかどうか。
このトレンドは2023年も続きます。
CastingONEの導入経緯と導入効果などについて
[齊藤]
派遣先からの受注は何とかなったのですが依然スタッフ不足の状況は続きました。
当社は登録者の使い捨て状態が20年間続いていました。登録スタッフのデータベースがなかったのです。毎日ただ来社する登録者を待っている状態でした。
データベースがないため電話をかける相手がいないんです。
当然、稼働も増えないし、時間を持て余している社員が定期面談という名のもとに用もないのに稼働しているスタッフに会いに行くなどの「無駄」が常態化していました。
この状況を速やかに改善しなければならない。こうして頭を抱えていると、グループ関係者からCastingONEの話を聞きました。
安価で使い勝手もよく、使い捨てられていた過去の登録情報がデータベース化できる。早速、導入させてもらいました。
ちなみに、導入後、データベース化してわかったのですがこれまで20年間で見落としてきたスタッフの登録情報はのべ10万件と言われました(笑)
導入効果ですが月間の入職者数が3倍になりました。着任当時の規模は小さく毎月の入職70人が200人を超えるようになり、コーディネーターと営業を増員することもできました。
[片桐]
受注体制が整い、いざ、スタッフ確保となった段階で導入して頂きありがとうございました。
派遣スタッフを集めてから情報管理することと、仕事案件にリーチすることは別物で、せっかく集めた登録データも有効活用しないと意味がありません。
集めた登録データはログを残して必要になったときに使えるようにしておかなければなりません。
営業の受注データの管理とその都度、募集したスタッフデータの適正な管理が急務だったことを覚えています。
人材派遣会社がこれから取り組むべきスタッフ採用について
[齊藤]
どこの派遣会社もコロナ禍でオーダーが潤ったのは行政関係の仕事が多かったのではないでしょうか。
第8波まで来たのでそれに伴う対策としていろんな行政関係のお仕事が出てきました。ここで数字を作ってきた派遣会社も多いと思います。
やらなかった派遣会社も若干ありますが売上げなどで苦労されていると思います。
でも、これはトレンド。そこばかりやっているといつかしっぺ返しが来るので、
行政関係のお仕事もこなしながら従来の営業活動で利益を出し、次のステップの準備を進めていくことが大切かなと思います。
供給面(スタッフ採用・マッチング)では、採用単価、登録単価、応募単価が上がり続けています。
もう従来の求人メディアでの派遣スタッフ獲得は困難な時代へ突入しました。
よって、スタッフ不足と言われながらもある程度の人数を集めてやりくりしている状況が続いてます。
やはり、数少ない登録者に「いかに選んでもらえるか」という視点が大切で、当社はその部分ではまだまだ。
スタッフ目線に立って入職率をいかに上げていくかが今後の課題です。具体的には主に登録情報のデータベースを増やすことと入職率を上げること。
また、気を付けなければいけないのは募集し過ぎて、登録数が増えすぎることにより登録対応がかえって雑になってしまいうまくマッチングできないということがあります。
適正に受け入れられるように目標設定した数字があるので、しっかりと来社後のオペレーションを強化していきます。
やはり、来社して頂き信頼関係を作って気持ちよく帰って頂くことが大切。当然、ご希望の仕事があってエントリーして来社する方がほとんどです。
なのでまずはその仕事で進めてあげないと不信感につながります。
しかしコーディネーターは「この人だったらいける」「この人だったらダメだな」ってわかるのです。
それで、来社して冒頭から「こっちお仕事のほうどうですか」「ではこっちの方はどうですか」とやってしまう。
そうすると、「私はこれを見てきたのにこっちの安い仕事ばっかり紹介される」というクレームに発展します。
こうなったらその派遣会社では仕事してくれません。
まずはご要望をしっかり承って進める。でも、「ダメでした」となり「ではこちらの案件はどうですか」という流れに持っていかないといけません。
ほとんどのコーディネーターは焦ってやって、たまにうまくいくというケースを成功体験にしています。実は失敗しているときの方が多いんですよね。
[片桐]
求職者に最初に電話するのはだいたい営業担当者。打ち合わせや業務連絡で対面に誘導するのもどちらかというと派遣会社の営業都合です。
書類が早く回収できるとかクロージングしやすいとか。しかし、コロナをきっかけに求職者の行動思考は変化しました。
派遣会社は求職者の目線に立ち、コミュニケーション手段に多様性を持たせることが求められています。
求職者からの連絡は電話、オンライン、対面、メール、LINEなどなんでもいいよというスタンスが大切です。
実際に興味があれば電話に出てくれますがない人は基本的に電話に出ません。社内での連絡も同様です。あまり良い報告ではない時に居留守して電話に出ない。
しかし契約が獲れそうな時とか、良い報告の時はむしろ積極的に上司に電話します。(笑)
また、1回の案件引き当てだけで来店した全ての求職者の要望を叶えるのはまず無理。特に、営業主導で1回目の採用面談で契約に至るのは2割程度です。
では残りの8割に何をしてあげられるのか。
その8割の求職者に対してロングタームでコミュニケーションを続けることによって確実に入職率は上がってきます。ここを派遣会社の皆様にわかってほしいです。求人広告費を月に何百万円もかけています。
では「2回目採用費」や「3回目採用費」ってあるでしょうか。とにかく上司は「電話しろ」と言う。(笑)
興味ない人に電話しまくったら絶対に嫌がられます。
[齊藤]
今の若い従業員は電話するよう指示しても積極的にかけません。「かけろ」「かけろ」といわれたからかけただけ。(笑)
今の派遣会社の社員の架電量は私が若い頃の架電の量に比べたら5分の一ぐらいではないでしょうか。
そこでその分を面談に費やすとかツールを使ってどうアプローチしていくのか。このツールの導入で考えるきっかけになればと考えています。
また、いくら電話しても出ないのにメールするとすぐに返ってくる人って結構いるんです。
「仕事探しています」って言っているのに電話に出ない。でもメールすると即レスがある。
それぐらい我々の時代と変わっていて「仕事探しているなら普通電話出るでしょ」ではなくて、そういう属性の人たちが増えてきているという事実を受け止め、そういう人たちをどう取り込むのかという考え方にシフトチェンジしなければいけません。
クロージングの段階で電話して「本音を聞かせてくれてありがとうございました」と言ったほうがスタッフに伝わります。
仕事に興味ないスタッフに電話をしても意味がないことがわかりました。
[片桐]
スタッフ不足は止まりません。
繰り返しになりますが、今後のスタッフ採用の課題は、新規獲得に加えて、登録だけの未入職スタッフの再アプローチや過去入職したスタッフの掘り起こしに重点を置いて入職率を上げていくことです。
求人メディアなど従来型の採用活動も大切ではありますが、この数年の効果を読者の皆さん自身もわかっているはずです。
これらの事を再認識して頂き、営業にしてもコーディネーターにしても、しっかりとした登録データベースを構築し、スタッフ目線に立った多様性のあるスタッフコミュニケーションがこれから必要になってきます。
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